異色のアイドル、指原莉乃を生んだAKB48選抜総選挙の熱狂とは何だったのか
異色のアイドル、指原莉乃を生んだAKB48選抜総選挙の熱狂とは何だったのか(読売新聞オンライン) 読売新聞オンライン AKB48の活動の中で最も注目を浴びたのは、2009年から10回行われた「選抜総選挙」だ。新曲を歌うメンバーを決めるファン投票の結果を発表するイベントが、いつしか人間ドラマが見られる面白さなどが注目されて社会現象になった。あの熱狂は何だったのだろう。(編集委員・祐成秀樹) 生中継の視聴率20%「絶対にAKB48を壊しません」 第5回選抜総選挙で初の1位となった指原莉乃さん(2013年、横浜市の日産スタジアムで) 日産スタジアムが熱狂した。2位は大島優子さん、3位は渡辺麻友さんだった(2013年) 2013年の第5回総選挙は驚くことばかりだった。会場は横浜市の日産スタジアム。順位発表とスピーチを見聞きするイベントを、7万人が見つめ、フジテレビによる生中継の平均視聴率が関東地区で20%を突破した。そして指原莉乃さん(31)が初の1位になった。「ヘタレ」と呼ばれた異色のアイドルが15万570票も獲得し、エースの大島優子さんを上回ったのだ。発表後、目をまん丸にした指原さんの表情と「絶対にAKB48を壊しません」という宣言が忘れられない。 元々新曲を歌うメンバーは総合プロデューサーの秋元康さんが選んでいたが、ファンから「自分の推すメンバーが選ばれない」といった不満の声が上がり、09年からCDに付いた投票券などがあれば誰でも参加可能な選挙による選抜を年に1回行うようになった。 第1回の観客1000人「メンタルが削られるイベント」 ささやかに行われた第1回総選挙こぢんまりと行われた第1回(2009年) 第1回は東京のライブハウス。観客約1000人とアットホームな雰囲気ながら、メンバーは切実だった。順位が発表されると、うれしくても悔しくても大半が涙を流した。5位だった高橋みなみさん(33)が振り返る。「メンバーもファンも悲喜こもごも。多感な時期の女の子にとってメンタルが削られるイベントでした」 当面の仕事内容を左右する「人気」が順位を付けられてさらされるストレスが大きかった分、スピーチで「本気の言葉」が飛び交った。その後の総選挙で高橋さんは「努力は必ず報われる」「人生は矛盾と闘うもの」などの名言を残した。「総監督もやりましたから、みんなを引っ張...